外構工事の種類と基本知識

外構工事の種類と基本知識

今、自宅の外構・エクステリア工事を専門会社に依頼したいと考えている方で外構・エクステリア工事をしたいけど種類がありすぎてわからないという方も多いのではないでしょうか。外構づくりに失敗してしまう主な原因は、「どんな暮らしがしたいか」「そのためにはどんな外構がいいか」というイメージが足りていないことが原因です。
新築住宅を建てる時は、どうしても建物本体のプランを中心に考えてしまいます。さらには予算の関係もあって、外構のイメージをじっくりと練る余裕がなくなりがちではないでしょうか。
その結果、実際に入居して生活をスタートした段階で、「住みにくい」「プライバシーが確保されない」「風が抜けずじめじめする」などといった、さまざまな問題が見えてくるのです。
リフォームで対応するにしても、余分な費用とお金がかかってしまいますから、外構のプランもしっかりと検討しなければなりません。

では、一体どのようにすれば後悔しない外構づくりができるのでしょうか? 
外構スタイルとその特徴や種類を知っておけば、自分たちの暮らしに合った外構を選択しやすくなり、成功する確率を大きく高められます。

本記事は外構・エクステリア工事に焦点を当て、外構の種類と費用などの基礎知識について抑えておこたいポイントを詳しく解説していきます。注文住宅やリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。 

5 まとめ

1 外構工事の基本知識

まずは、外構・エクステリア工事の基本知識から抑えておきたいポイントを解説します。「外構工事」とは注文住宅であれば建てる際の最終工程にある塀や門扉などを設置する工事です。住宅の周辺部分に設営される各種設備が、「外構」です。具体的に外構とは、ガレージやカーポート、門やアプローチ、塀や生け垣、物置など、「家の外に置いたり、設置したりするものの総称」のことです。

外構工事は理想的な自宅の外観や開放的な空間を作るためにも必要です。またプライバシーや安全性を高める上でも、外構工事は欠かすことができないことも重要なポイントになります。以下では簡単に外構が果たすメリットについて解説します。

1プライバシーを確保できる
住宅周りにアルミフェンスやブロック塀で囲うことにより外部の視線を遮ることができます。
通行人の目が気になる、干している洗濯物を見られたくないなど、プライバシーを確保には必須になります。また不審者が敷地に侵入しにくくなるなどのセキュリティ対策にもなります。

2開放的な空間を作り上げられる
庭に面して設置するウッドデッキやバルコニーは、家族にとって憩いの場となる空間です。
屋内と屋外の両方で生活を楽しめるため、敷地を有効活用できます。また、人が通る玄関のアプローチなどを舗装することで、雨の日などに靴や車のタイヤ跡で玄関の汚れを軽減することもできます。毎日人が使っても支障が出ない、快適性・機能性を備えたアプローチはとても魅力的です。

4収納スペースを広げることができる
物置を設置することで、収納スペースを屋外に広げられます。カーポートなどは自動車を天候から守る働きもあります。
大きな荷物や自動車メンテナンス用品の置き場で困っている方におすすめです。

*補足情報

よく外構工事と一緒にエクステリアという言葉がでてきます。この二つの意味の違いはなんでしょうか。一般的には同様の意味合いで用いられますが、それぞれについて細かな違いがあります。

エクステリアは家の外に設ける構造物自体を指すというよりは、「家の外の空間・環境」を意味しています。エクステリアは、主に「インテリア」と対称的に用いられ、家の外回り全体の印象や雰囲気なども含めた意味合いで言及されることがポイントです。少し難しいかもしれませんがエクステリアも外構工事も工事の際になにか変わるとか、費用が違うといったことはないのであまり考えなくて大丈夫です。

2 代表的な外構設備の種類

ここまでで、カーポートやアプローチなどの外構工事用語がでてきましたが、実際に外構・エクステリア工事にはどのような種類があるのでしょうか。

以下では代表的な外構工事を紹介します。

代表的な外構設備

  • 庭(植栽や池・庭石なども含む)
  • 門扉
  • アプローチ(道路・門から玄関までの通路) など
  • フェンスや石垣、生け垣
  • 玄関前など徒歩区間の手すり、スロープ
  • 駐車スペース
  • 駐輪場
  • カーポート、ガレージ
  • ポスト
  • 物置、倉庫

これらの設備にもさまざまな種類があり、それぞれのポイントがあります。専門会社と相談しながら細かなところは決めていきましょう。

冒頭でも記載した通り外構工事は家を建てる工程の最後に行われるため、設計によっては希望通りの配置ができない場合があります。注文住宅を建てる際は、どうしても内装にばかり目を向けがちですが
外装のイメージも忘れず持つようにしましょう。

よくある失敗例ですと、たとえば、駐車スペースが予想以上に狭く希望のカーポートが設置できなかったり、駐車が壁ギリギリになってしまったりします。
電気や配管の位置によっては改修できない可能性もあるため、スペースは事前に余裕を持って確保するることがポイントです。

プライバシーや安全性を高める上でも、外構工事は欠かすことができません。外観の見栄えだけではなく自宅を守るための手段としても考えて依頼していきましょう。

3 外構工事の大まかな種類

外構工事には細かい設備の他に大まかに3種類にわけることができます。クローズ外構・オープン外構・セミクローズ外構です。これは設置する構造物の違いによってかわるのでそれぞれの種類における特徴やポイントを説明します。

3-1オープン外構のメリット・デメリット

 

オープン外構は、公共の道路と私有地との境目に壁をつくらない、開放感にあふれた外構スタイルです。
欧米の郊外などによく見られ、海外のニュースやドラマで目にしたことのある方も多いかと思われます。
メリットとしては遮蔽物がなく、光や風をふんだんに採り入れることができるため、狭い敷地でも圧迫感や閉塞感を感じることがありません。
防犯面でも不審者が隠れられる死角がないので、建物本体の防犯性はむしろ高めです。壁や塀を作らない分、コストも大幅に抑えることができます。
一方で、敷地外から家が丸見えになるため、プライバシーを確保しにくくなるのがデメリットです。
外から見られるのが嫌で、カーテンを閉め切ったままにしてしまう方もいるかもしれません。
また、敷地の内外の境界がわかりにくく、家族以外の人が勝手に入ってきてしまうこともあるでしょう。
お子様の道路への飛び出しや、自転車・ホースなどの盗難にも注意する必要があります。境界の目印として植え込みや花壇を設置する、目隠しとして庭木を植えるといった対策を取るのがおすすめです。

3-2クローズ外構のメリット・デメリット

 

敷地の境界線を、塀などでしっかりと囲んで閉じるのがクローズ外構です。
塀の高さを上げれば、道路だけでなく近隣の2階からの視線もカットでき、プライバシーをしっかりと保護できます。外部の視線を気にせず、いつでもカーテンを開けられますし、ガーデニングやDIY、バーベキューなど思い思いの過ごし方ができるでしょう。
その反面、採光や通風が抑えられてしまうことで、暗くジメジメした空間になりがちなのは無視できないデメリットです。
死角が増えることで防犯性の問題も生じますし、閉鎖的な雰囲気のために、近隣の方との交流がしにくくなるケースもあるかもしれません。壁や塀を多く作る分、コストもかさんでしまいます。
対策としては、普段から近隣とのコミュニケーションを密に取っておくほか、適度に隙間のある塀にするなどの解決策も考えておきましょう。死角を減らせるように壁の配置を工夫し、防犯カメラやセンサー式ライトなどを設置するのも有効です。そして、多くのコストをかけて失敗しないよう、デザインは慎重に検討してください。

3-3セミクローズ外構のメリット・デメリット

 

オープン外構とクローズ外構の「いいとこ取り」をしたのがセミクローズ外構です。
その定義はやや曖昧ですが、概ね「クローズ外構のように完全には閉じず、抜けのあるフェンスや低めのブロック・植栽などでゆるやかに区切る外構」というのが一般的です。
「駐車場付近はオープンで、門扉からはクローズに」というスタイルも、セミクローズに入れる場合があります。
セミクローズ外構のメリットは、プライバシーをある程度確保しつつ、開放感も獲得できることです。
また、抜けのあるフェンスはデザインも多彩で、モダンなアルミフレームからアンティーク調のアイアンを使ったもの、木材を使ったカフェ風のタイプなど、選ぶ商品によってさまざまな外構を楽しめます。
一方、死角による防犯性の低下や通風・採光の阻害といったデメリットも、オープン外構とクローズ外構の中間です。中途半端なだけになってしまわないよう、どこの死角をなくした方がいいのか、どこからの視線を遮りたいのかといったことをよく考えましょう。

4 外構工事の費用相場

ここまでて、外構・エクステリア工事の基礎知識と種類はわかっていただけましたでしょうか。では実際に外構工事を始める際に気になるものが施工費用だと思います。各会社や依頼内容によって費用相場は大きく変わります。ここでは外構工事の費用相場について種類別に解説していきます。

新築の外構工事を依頼した際の費用相場は一般的には建物の建設費用の10%ほどが目安です。30坪の土地の場合には100〜300万円ほどになることが多いでしょう。

リフォームの場合、中心となる価格帯は50~100万円程度です。施工面積や工事内容によっても価格は変化しますが、駐車スペースの土間コンクリート打ち+玄関アプローチリフォームだとおおよそ50~60万円程度が費用相場となります。

また外構工事の費用相場は先ほお土大まかに説明した外構3種類によってもわけることができます。

・クローズ外構

丈長の構造物を多く設置するため、費用相場が高くなる傾向にあり約200万~300万円です。

門扉 30万円
80万円
目隠しフェンス 20万円
ガーデンデッキ 40万円
カーポート 50万円
センサー付き外灯 20万円
合計 240万円

・オープン外構

構造物の設置が少なく、コストを抑えやすい種類の外構で約100万~150万円です。

門扉 30万円
玄関アプローチ 15万円
ウッドデッキ 30万円
バルコニー 40万円
合計 115万円

・セミクローズ外構

費用相場は、基本的にクローズ外構とオープン外構の中間となっていて約150~250万円です。

門扉 30万円
玄関アプローチ 15万円
目隠しフェンス 30万円
植栽 15万円
ウッドデッキ 30万円
駐車スペースの土間コンクリート仕上げ 30万円
合計 150万円

5 まとめ

ここまでて外構・エクステリア工事の種類と費用相場を説明しました。

外構工事にはクローズ外構・オープン外構・セミクローズ外構の3種類があります。
種類によって工事内容や費用相場が異なるため、自宅外観を希望通りにできる種類を選びましょう。現実的にはご自宅の土地スペースによっても設置できる外構が変わってくると思います。専門業者と相談して最適なものを決めましょう。3会社を目安に見積もり依頼をだすと内容の比較ができるのでポイントとして抑えておきましょう。プライバシーを重視したい場合はクローズ外構、開放感を重視したい場合はオープン外構がおすすめになります。

外構工事にかかる費用は設置する構造物の量や種類によって大きく異なります。
費用相場はクローズ外構が約200万~300万円、オープン外構が約100万~150万円、セミクローズ外構が約150万~250万円です。
外構工事の費用を抑えるためには、各構造物の費用相場を把握してから資金計画を立てて、複数の会社からとった見積もりを比較検討しましょう。

本記事が今外構工事を考えている方のお役にたちましたら幸いです。